さて、去る3月18日(日)に東京のはしっこにありますライブハウス、町田プレイハウスにおいて、Calling Records主催のイベント「Jesus Calling vol.2」が行われました。 私は自分のバンドこそ出演しませんでしたが、Calling Recordsの「メタル課長」としてこのイベントをレポートする使命がありますので、書いていきたいと思います! まずは、皆さんにわかりやすいように! Calling Recordsとは何ぞや! Calling Records (コーリングレコーズ)とは、2015年に発足した、日本でおそらく初めてのクリスチャンロック専門のレーベルです。 日本の数少ないクリスチャンバンドのメンバーであった3人。 元CLOD(現在はソロアーティスト)の三木裕季、ソルフェイのオオハラシンイチ、Imari Tonesのナカミネタカヒロの3人が発起人となりスタートしました。 そのナカミネタカヒロとは私のことですが、レーベルなんていうものが面倒くさかった私は、また同時に現在の音楽業界の状況も鑑み、このCalling Recordsについて、会社とか、がちがちの組織にしてくれるな、あくまでバンドやアーティストが力を合わせるための寄り合いにしてくれ、とリクエストしまして、 今までのところその希望通りに、同じ志を持って音楽を鳴らす仲間たちが、自主的に集まる場所として機能しています! もしこのコーリングレコーズが大きくなって、発展して、会社組織とかにする必要が出て来た時。 その時はもう私の存在は必要ないものとして、喜びつつ身を引くつもりですが、 そこまで発展するのはいつの事かな!? でも期待しています。 何はともあれ、そんなゆるい「寄り合い」として。 イエス・キリストのためにロックを鳴らす連中が、力を合わせるための場として。 我らCalling Recordsは、これまでにイベントを行ったり、コンピレーションCDを発売したり、所属アーティストのCDを販売したり、活動してきました。 所属アーティスト、なんて言ってもゆるい集まりではありますが、 現在所属しているアーティストは、ソルフェイ(Soul of Faith)、サイ(Xie)、三木裕季、石川ヨナ、Imari Tones (伊万里音色)の5組になっています。 また、その他にもこれまで、Indicator、熱きリョウ with Jesus Mode、Peter’s Chicken Party、といったバンドに参加していただき、 イベントにあってはサルーキ=さんにも何度か絡んでいただいています。 また昨年のイベントの際には、湘南が誇る素晴らしきクリスチャンロッカー「斧寺カズトシ&マリナ」さんや、魂のアコースティックブルースユニット「弦詞人」さん、日本のクリスチャンロックの先駆者でもあるファンクロックの雄「B.D.Badge」さんといった方々にも絡んでいただいております。 そして所属バンド、参加アーティストについては今後も増えていく予定です!! クリスチャン人口の少ない日本という地にあって、 「神のためにロックする」なんていうテーマでやってる僕らに対し、 「俺たちも参加したい!」なんていって、バンドを始めたり、楽器を手に取ってくれる人たちがいるのは何よりも嬉しいことです!!! ですから、興味を持ったバンドさん、アーティストさんは、ぜひぜひCalling Recordsまで連絡ください。 ただし、教会とかによくある「ハレルヤー」なんつってワーシップ曲を演奏するバンドは、ロックじゃないかもしれないぜ。 あくまで、「俺たちはろくでなしだけど、それでもジーザスを信じているんだぜ」みたいなやつらの集まりです。 ダメ人間しか参加不可!!(笑) まじめなやつらはお断り(笑) なぜならダメ人間、っていうのは、キリスト教にあっては自分が「罪人」であるってことの自覚だからね(笑) 案外大切なんだよ、これって。 クリスチャンロックっていうのは、自分が骨の髄まで罪人だってことを、わかってるやつじゃないと鳴らせないものなのさ。 そして、そんな自分と死にそうになるまで向き合って、魂の底で鳴らした音だけが、神のもとへ届くのさ。それが信仰ってものなのさ。 ** そんな能書きはともかくとして、 そんな日本初クリスチャンロックレーベル、Calling Recordsの、4年目のイベントが、町田プレイハウスで行われたのです!! そして、めっちゃくちゃ盛り上がった。 なんでこんなに盛り上がったのか、それは知らんけど(笑) キリスト教の人口がたったの1パーセントと言われる日本において、こんなニッチなジャンルのライブが盛り上がってしまうっていうのも、まさに今の時代らしい出来事だと俺は思うぜ~。 では早速、アーティストごとのライブレポートを書いていきますよ!! イベントの一番手を飾ったのは「サイ(Xie)」。 […]
メタル課長の戯言
Xieのレコーディング風景
私、このキッチンナイフレコーズの人であると同時に、クリスチャンロックレーベルであるCalling Recordsのメタル課長も兼任しておりますので、そちらの情報も流させていただきます。 我らが敬愛するXie (サイ)の皆さんが、なんだかすっごいニューアルバムを作っている模様です。 そして、なんだかすっごいスタジオでレコーディングをしている様子がYouTubeにアップされています。 あれですね、ちょうど「インディーバンドの録音の考え方」とかいう文章を書こうとして、しかも基本宅録でっていうラインで一連の記事を書こうとしていたところ、ばっちりプロ仕様のスタジオでレコーディングを始められたXieさん。何処のスタジオなのかはまだ聞いてませんが、タイムリー過ぎます。 レコーディングのあるべき姿というものは、バンドごとに違います。そして、その音楽ごとに、「そうあるべき形」というものがあります。 勢い重視のハードコアパンクバンド、リスナーとの距離感を重視する女性弾き語りシンガー、内省的なエレクトロニカ、弦楽四重奏、などなど、それぞれに適した録音制作の形があるのは言うまでもありません。 そして今はその選択を、昔と比べてはるかに自由に選べる時代です。 (逆に今の時代にあっては、高級路線のハードコアパンクや、宅録志向の弦楽四重奏があってもおかしくありません。) Xieの皆さんは、それぞれがこれまで音楽業界の中でプロとして活躍されてきた人たちです。そんな技術と経験を持った人たちだからこそ、こういったスタジオでの録音で実力を発揮できるということが言えると思います。 狙っている音が、そのへんにある、ということです。 大事なのは「どのへんの立ち位置」を目指して音を鳴らすのか。そこにあると私は思います。 クリスチャンロックバンドとして生まれ変わり、独自の「エバンジェロック」に向き合ってからの2枚目となるこのXieさんのアルバム。きっと、さらにパワーアップした超ハイレベルな音を届けてくれるでしょう。 完成を楽しみにしていようと思います。 Xieさんのホームページはこちらhttp://xiete.com/
インディーズバンドにとっての録音制作の考え方(その1)
インディーバンドにとってのレコーディング。 インディペンデントな姿勢で音楽を作っていこうとするアーティストにとって、レコーディングというものをどう考えればいいのか。 この文章は、 インディバンド、インディーアーティストは、今の時代の生き方として、自分で自分の作品を録音制作出来なければいけない。 意欲的に生きようとする現代のインディアーティストにとって、自分で録音制作を形にするスキルは、必須のものである。 という前提のもとで、 どうやってそこに向き合っていくか、ということについて書くことを意図している。 本当は、理想を言えば、ちゃんとしたスタジオで録りたいんだよね。 ちゃんとしたスタジオ、っていうのは、つまり、 世界の一流のアーティストがレコーディングをするような、 世界でもトップクラスのスタジオで、 深い才覚と経験を備えた一流のプロデューサーの下で、 一流の技術を持ったエンジニアと共に、 世界最高クラスの機材を使い、 予算に糸目をつけず、時間もたっぷり使って、 創意工夫にあふれた芸術作品を作りたい。 そして、それを、そのジャンルの一流の作品をたくさん手がけている しかるべきマスタリングスタジオ、マスタリングエンジニアに任せて、 いったい何億円するんだかわかんないようなシグナルチェーンを通じて、 最終的にリスナーに届ける音を仕上げたい。 これが理想なんだよね。 これが、唯一にして最高の理想であるのは、誰でも同じだと思う。 でも、現実には違う。 現実には、そんな環境でレコーディングをすることの出来る人間は、限られている。 少なくとも僕は、そんな環境でレコーディングをしたことは、それに近い経験は、確かに一度か二度はしたかもしれないが、基本的には無いし、そしてこれからも、おそらくは無い。 時代状況を考えれば、余計にそうだと思う。 80年代に名を馳せた憧れのアーティストたちも、2010年代以降の作品は、セルフプロデュースになっていたり、コストをかけずにホームスタジオで録音するようなことが、明らかに増えている。 そういったワークフローは、現代の音楽業界ではたぶん普通のことになっているし、そういった設備やスキルを持つことも、現実の上では必須になっている。 (そして、そのクオリティは、残念なものであることが、結構多い。) そもそもが、プロモーションでさえインターネットを通じて自前でやらなければいけない時代だ。それは、実績のある有名なベテランアーティストでさえそうである。 だから、これから音楽人生をスタートしようという、無名のインディアーティスト、インディバンドにとってはなおさらだ。 レコーディング、録音制作、つまりは作品づくり、そこにどう向き合うのか。 個人レベルのデジタル録音が可能になった1990年の後半あたりから、これは既に浮上してきて久しいテーマではあるけれども。 自主性を持って、自らの生きる道を能動的に選び取りたいアーティストにとって、これは絶対的に向き合わないといけないテーマだと言える。 環境にめぐまれている人は、一流のスタジオで録音すればいい。 それは素晴らしいことだ。素晴らしい価値のあることだ。 選ばれた人でなければ出来ないことだからだ。 だけれども、そういった高価なレコーディングスタジオで自らの楽曲を録音する立場になる、そういった立場に立つ、ということは、たぶん実際のところ、様々な責任や制約も伴うことになる。 そして、たとえそういった一流のスタジオで、一流の機材を使い、一流のプロデューサーや、一流のミュージシャンたちと作業をしたとしても、その作品が成功するとは限らない。 つまり、本当に納得のいく作品が作れるとは、限らない。 なぜなら、音楽とは、そんなに甘いものではないからだ。 音楽とは、たとえ世界一流の技術や才能をもってしても、人間の手におえるほど、単純なものではないからだ。 音楽とは、それほど深いものだからだ。 感じることは出来ても、目には見えない、そして手につかむことも出来ない、 形のない真実だからだ。 そんな「音楽」という、底の知れない謎に、一人の無名のインディアーティストとして向き合う。 そんな途方も無い勇気を持ったアーティストたちに、この文章を捧げたい。 続く。 (たぶん) – (写真は、2011年にアメリカはテキサス州某所の「ちょっといいスタジオ」でレコーディングの機会を頂いた時のワタシ。- その際の録音の結果は、Imari Tonesの”Japan Metal Jesus”というアルバムを聴いてみてください。)